この4月から俺はこの町に住む。
そしてここらじゃ有名な杉下学園高等部に通う、らしい。



だから、今日は下見。


『行ってきまーす。』

といって家を出たのはいいけど、どうやって行けばいいのかさっぱり…。
てか、電車多すぎだろ…
西浦駅ってどこなんだよー!


おっかしーな…

『あれー?こっちかぁ?』




「あの、迷子…ですか?」

ん?誰だコイツ。
俺にいってんの?
迷子?!

『は?』

いや、たしかに迷子だけども…こんなお子様に迷子扱いされてたまるか!

「だーかーら!迷子ですか?!」


しつこいな…

『や、違うし。』


早くどっか行ってくんないかなー…。


てゆか、なんかニヤニヤしだしたぞ!危なくねーか?!
怪しすぎだろ!!


「よし!ワタシが案内してさしあげよう!!で、君どこいきたいの?」

は?何言い出してんの?
あー、もぅいっか。聞いてみっか。


『はぁー。…西浦駅。』


「ねぇ、ワタシ達も今から西浦いくから、一緒に行こうよっ」


え?西浦駅行くの?お?
当たりか?ラッキー☆


ん?待てよ。"ワタシ達"?
いや、どー見てもヒトリでしょ。もしかして、透明な誰か?

んな訳ないかー。だよなー。


『達?』

「ん?達!!」


嘘だろー。まさかのー?
冗談だろー?

『ひとりじゃん?』


「そんなわけー…ソウ?!ソウ?!嘘ーっ」



やっぱなー。最悪だ…っ