「こらぁっ!
森くんっ!
森 崇(モリ タカシ)~っ!
ゼッタイゆるさなぁい!」
「ちょっと
たんま!たんま!
雪菜!落ち着けって」
3-1の教室前
胸ぐらをつかむ
私の手を
森くんは外して
学ランの胸元を整えた
「何をそんなに怒ってんの
ユッキーナ」
「ふざけないで
森くん
佐藤くんに変なこと
言ったよねっ!」
キッと
私がにらむと
森くんは
アゴを撫でながら
何度がうなずき
「あ~ハイハイ
佐藤くんね
一週間前に雪菜に
交際を申し込み
3日前に
晴れてカレシとなった
2-4の佐藤くん」
「あ~もうっ!
そんなんど~でもいい
森くん
佐藤くんに変なこと言ったデショ」
グッと
手を握りしめると
森くんはニヤリと
イジワルそうな笑みを浮かべ
私を見下ろした