*powder snow ~空に舞う花~*


寝転がっている枕の横には

一方的に切った電話の続きを求めるために

俺の傷だらけの携帯がまだ震え続けていた。


ただ、マナーモードのバイフレーションなのに

まるで

心の中の震えが現れてるみたいで

耐えれなかったんだ。





「……」

携帯を再び手にとったのは

こんな俺に何度も連絡してくれているダチの

大悟の電話に出るためじゃなく…


……ピー…。。。




通話ボタンを押すことはないまま

携帯の電源をオフにした。







大悟から連絡があったのは2週間以上前。




と言っても、連絡は


『月末の日曜日に集まるから予定空けとけよ!

めっちゃ久しぶりにみんなで集まって騒ご~なっ(`∇´ゞ』



って、今時デコメでも絵文字でもない顔文字かよと、突っ込みどころ満載の一方的なメール。





こんな時に…

天井を見つめて

静かに目を閉じれば

思い出すんだ。






一生、忘れるなんて出来やしないから



心の奥深くにしまっておいた…


…つもりなのに







やっぱり今でも鮮明に蘇る

キミの笑顔と







キミの…







最後の涙を。。。








「…ねぇ」

「………」

「すみませーん、起きて~」



…あ゛!?

マジ誰だよ。

人がせっかく授業サボって中庭のベンチで寝てんのに…

このベンチはオレ専用に作られたんかってくらい寝心地がいい。



だから、邪魔すんなっての!!



どうせ、クラス役員かなんかが担任に言われて呼びに来たってのがオチじゃね??

めんどくせー、寝たふりしとくか…。







「あの~、
ちょっとお願いがあるから起きて欲しいんですけどぉ~」


「………(お願い!?教室に戻れってか!?ハイ、やっぱ無視決定)」


「あの~……」


「……(しつこいな!いい加減諦めろよ)」


「もぉっ!起きてってば!!」





―――っ!!!!




――…マジ

ありえねぇんだけど。



「ぃってーな!!」


寝てるやつ(正確には寝てるフリしてるやつ)を

いきなり


突き落とさねーだろ、フツー!!!



「なんなんだよ!?!?」


急いで体を起こして

昼寝の邪魔をしたどころか、突き落としてきたヤツを睨む。



「やっと起きたっ」


その張本人は…

起きたオレの姿を見ながら、とっても満足げな顔をして

笑っていたから




「……」



文句つけてやろうとしたのに


その笑顔を前にしたら

言葉が出てこなかった。





――…って!!!!!



なに考えてんだ、オレ!!





「いきなりなんなんだよ!!?」


見入ってしまったのをごまかすように、
頭をガシガシかきながら目線をそらして

文句くらい言わせろよ!?


「だって~、起きてくれないんだもんー」


もんー。じゃねぇよ!!!



「何のお願いか知らねーけど、昼寝の邪魔すんな!!」



あ……やべえ。。。



「あー!!!!

ちゃんと聞こえてたの!?
起きてたんじゃん!!!」


ほら…


めんどくせー。







「だぁぁぁ!!!!

うっせーよ!!!

担任に何言われて来たのか知らねーけど、
教室には戻らねーょ!!」



だから、さっさとお前だけ行け!!




ってか、オレのクラス役員ってこんなオンナだったっけ?

まぁ、クラス全員の名前どころか顔も覚えてねーんだけどさ。



「ん??」




オレが言った言葉に
まるでウサギみたいにクリッとした目が キョトンと更に丸くなる。





「なんだよ??」


まだなんかあるのか!?





「私、ココの学校の生徒じゃないよ??」




「…へっ???」





変な声出ちった。
だって、同じクラスのヤツだと思ってたら…
学校まで違うのかよ!!!





「あ…」

よく見たら、学校の制服じゃなくて、
コイツ、私服姿だ。





「バッカ!!んな事、知ってるよ!!
なんで違う学校のヤツがココにいるんだよ!?

今日火曜だろ、学校あるんだよ、ガッコー!!

そもそも、なんでオレに声かけてんだよ!?
オレ、お前なんか知らねーし!!

ってか、お前誰だよホント!!」




オレ… ごまかすの必死すぎ。


知ってんのか、知らねーのか、どっちだよ。



……知りません、ハイ。