「ワタセ ハル…?さぁ?俺、二年?」

「ううん、一年」

「一年の顔と名前まだ、覚えてねーから」

「…もう、10月なんだけど」



愛莉?さっきからなんかおかしいなぁ?

何でそんなに渡瀬くんが気になる?


「何でソイツがどうかした?」

「いや、なんでもない」

「ふ~ん」



卓ちゃんは私のバッグを持って、

「帰るぞ」


一言言って私を連れ出した。

愛莉も遅れないようについてくる。


「何で毎回お前がいんだよ」

「女を一人にさせないの!」

「彼氏と帰ればいいだろ?」

「受験生は大変なの」