振り向くと、そこには息を切らせた先生が立っていた・・・。
「先生、なんで・・・?」
「唯先生から柏木が帰ってこない。って電話が来た。」
先生の目はとても怒っていた。
「ごめんなさい。携帯の充電切れちゃって・・・電話出来なかったの。」
「ここの周辺は公衆電話もないからな・・・。
・・・柏木。」
「ん?・・・っ!」
「無事で良かった・・・。
もう勝手に一人で、どっかに行くな・・・。」
先生にきつく強く抱きしめられた。
「ごめんなさい。でも、どうして、ここが分かったの?」
「かずくんが教えてくれた。」
「かずくんが?」
「柏木は、このチャペルがある海が好きだから、きっとそこにいる。って。」
「そっか・・・。」
かずくん、小さいのに良く覚えてたな・・・。
「でも、何でここが好きなんだ?」
「ここはね、昔、まだ親といた時に住んでた家の近所なの。
ここでは毎日のように結婚式があって、ここに来れば幸せそうに笑う花嫁さんたちに会えるの。」