「数学は?」



「私は教えてもらいたい部分がある。って言っただけで数学とは言ってませんよ。」




・・・はめられた。



「で、彼女なんですか?」



「そんなこと聞いてどうするんだ?」



「私には大事な事なんです。」



「あいつは彼女じゃない。」



彼女だったら、どれだけ幸せだったか・・・。



「先生・・・。」



「・・・・っ!」


気がつくと、そいつは俺の
傍に来ていた。

俺の腕に自分の腕を絡ませて・・・・。



「せんせい・・・」



「離れろ。」



「いやです・・・。」



「離れろ。」



「せんせい。」



「離れろ!・・・っ!」


そいつの顔がある方に振り向いた瞬間、キスをされた。


しかも口に。



「せんせい、好き。」



「・・・・。」



「先生、私の全部をあげるから先生の彼女にして?
私は先生の全部が好き。
もし、今、先生が好きじゃなくても私の全部見たら好きになるでしょ?それまで待ってるから・・・・。先生になら何でもあげられるくらいに好きだから。」



こいつは何を言ってるんだ?


好きの意味を知らないのか?



少なくとも俺は柏木以外は好きにはならない。