柏木は俺の事が嫌いになったから来なくなったんだよな。
だめだ、仕事に手がつかない。
柏木の存在の大きさを痛感する。
授業をしていても、
気分はどんよりしている。
「先生!」
「なんだ?」
「そこの公式間違ってますよ!」
「あ、悪い!」
「先生、しっかりしてください!」
クラスでも真面目な女子が
俺を睨む。
国公立を目指してるんだよな・・・。
しっかりしなくちゃな。
俺は今は悩む一人の男ではなくて教師の俺でいなくちゃ。
俺は気持ちを切り替えて授業に臨んだ。
仕事に私情は持ち込んではいけない。
そうだ、俺は教師。