あの日から柏木は俺を避けて生活をするようになった。
毎日来てた教官室での時間も
柏木と話すきっかけも
何もかもなくなった。
俺の中でなにかが埋まらなくて穴がぽっかり空いている。
俺が柏木に話し掛けても柏木は目を一瞬見て、すぐそらして
下を向いてしまう・・・。
そんなに嫌がるような事した?
嫌われるような事した?
抱きしめたのが嫌だった?
泊めたのが嫌だった?
考えれば考えるほど
分からなくなる。
俺は教師。
あいつは生徒。
本当は、この距離がベストなのかもしれない。
ベストなんだ。って自分に
言い聞かせる。
近くになりすぎた。
それが柏木を困らせてしまう結果になった。
柏木だけには嫌われたくない。
俺の心は今日の梅雨空みたいにどんよりしていた。