俺は今日新任の数学教師として赴任した。
長すぎる校長の話は
どこの学校でも同じ事で・・・俺の最も苦手な時間だ。
今日も赴任早々、睡魔が容赦なく俺を襲う・・。
駄目だ、教師が眠るなんて言語道断だ。
俺は、得に真面目でもないし、校長の話は嫌いだけどこれくらいの常識はちゃんと知ってる。
俺のクラスは比較的、
いい生徒が集まったって主任の藍沢先生が言ってたが、俺も第一印象はいい生徒がいるって事。
ちゃんと話も聞いてたしな。
初めて出席をとる・・・。
以外と緊張するんだよな・・俺だけかもしれないけど。
順調に俺は出席をとっていく・・・・。
「柏木澪!」
・・・ん?返事がない。
「柏木澪!」
・・やっぱり返事がない。
俺、名前間違えてたりする?
心配になった俺は教壇前に座っている生徒に聞いてみた。
「なぁ、柏木澪で名前あってるよな?」
「うん、あってるよ。澪ちゃんならあの一番後ろの席に座ってる茶髪の可愛い子だよ。」
・・・あいつか。
完全に上の空だな。
今度は気付くように
でかい声で呼んでみる。
「柏木澪っ!」
「はいっ!?」
やっと気づいた。
柏木は言ってた通り可愛かった。注意した後に
紅くなった顔にドキッとした。
・・・おいおいっ相手は生徒で俺は教師だぞ。常識はちゃんとあるはずだ。