「唯先生が?」
「ああ。」
「なんで孤児院の番号知ってるの?」
「手紙に書いてあったから。」
「・・・ふーん。」
今、一瞬寂しそうな顔をしたように見えた。
なんでだ?
「先生はいいの?」
「なにが?」
「私がお泊りしても嫌じゃない?迷惑じゃない?」
「いやなわけないだろ。」
「なんで?」
「なんでも。とりあえず柏木は俺の家に泊まりだから。」
「服は?」
「俺の貸してやる。」
「ありがとう。」
「柏木、夕飯は食わないのか?」
「味見いっぱいしたからお腹いっぱい!」
「そっか。」
「それにしても先生。」
「ん?」
「停電治らないね。」
「そうだな。」
・・・ぷち。
部屋が一気に明るくなる。
「わわ!眩しい!先生、停電治ったね!」
「ああ。」
「お風呂沸かしてくるね!」
「沸かす前に洗えよ。」
「もう洗っておいたよ~!」
風呂場に駆け出す柏木。
いつの間に風呂洗ったんだ?
俺が寝てる時か?
ま、いいか。
「お風呂沸かしたよ~。」
「さんきゅ。」
笑顔の柏木に俺は楽しみになる。
これから始まろうとしている
柏木との夜に・・・。