先生を起こしたいけど起こすわけにはいかないから、
ひとりで我慢しなくちゃ。
30分経っても停電したままで雷はますます勢いを増す。
我慢できなくなって、先生のいるベッドの横で小さくなる。
まだ先生は寝てる。
怖がる私に追い撃ちをかけるように、
・・・ゴロゴロ。
とどめの一撃。
ドッシャーン!!!
「きゃー!」
空を切り裂く断末魔の叫びみたいな雷だった。
「柏木、大丈夫か?」
・・・え?
「先生、起きてたの?」
「柏木の声で起きた。」
「ごめんね。」
「大丈夫。停電?」
「うん。30分くらい前に。」
また唸る雷に私は肩の震えが止まらない。
「雷、怖いの?」
「うん、昔から大嫌いなの。」
「ごめんな、すぐおきなくて。」
「ううん。先生、具合は?」
「大分、落ち着いたよ。」
「そっか。よかった。」