学校も終わり、私はこの気持ちに疑問を感じながら孤児院に帰ってきた。



「お帰りなさい。澪ちゃん。一年を決める大事なクラスはどうだった?」



「ただいま。クラスはサオと一緒だし、担任も良さそうな先生だよ。」



「そうなの。良かったわね。ん?どうしたの?」



「ねぇ、唯先生、何かさっきからドキドキが止まらないの。どうしてだろ?」



「あらあら!澪ちゃん恋でもしたんじゃない?」




・・・恋?

・・・私が恋?



「図星みたいね。誰?」

・・・誰?


・・・まさか先生?



「・・でも恋なのか良く分からないの。」



「恋っていうのは、ドキドキが止まらなくて相手の事ばかり考えちゃうのよ。今の澪ちゃんみたいにね。」


そういえばさっきから先生の事ばかり考えてたっけ。でも・・・。




「澪ちゃん、恋って突然自分の目の前に現れるのよ。例え澪ちゃんの好きな人が先生でもね。」



・・・え?



「澪ちゃんは顔に出やすいのよ。自分の心に正直になってもう一度考えてみなさい。きっと答えはすぐに見つかるから。」


・・・答え?

・・・すぐに?

・・・正直に?



「部屋でゆっくり考えてね。恋の相手が先生でも私はいつも澪ちゃんの味方よ。」



「ありがとう、唯先生。
ちょっと考えてみるね。」