「先生!」
周りの生徒や先生を掻き分けて先生の元に駆け寄る。…周りなんて気にしてる場合じゃなかった。ただ先生が心配だった。
「先生!」
「…柏木?」
先生がうっすらと目を開ける。でもすぐに目を閉じてしまった。
「とりあえず保健室に運ぼう」
周りにいた先生が先生を保健室に運んでいく。
「澪…」
沙織が力が抜けて立てない私を支えてくれたおかげで、ようやく立てた。
「沙織…」
「一緒に保健室まで行こう?」
「うん…」
私は沙織に支えられながら、周りの視線を受けつつ保健室前までやってきた。保健室の扉を開けるとベッドに先生が横たわっていた…。
「こらこら、生徒は入らないの」
私を見つけた他の先生達が私を追い出そうと近寄ってくる。
…ここを離れたくない。
…先生の傍にいたい。
「この子も具合が悪いので保健室にいさせてください。」
そう言ってくれたのは沙織。