文化祭が終わって、時は少し流れて…季節は秋を迎えていた。
夏休みは孤児院の子達と海へ行ったり、先生と花火を見に行ったり…色々なことをした。
「よし、じゃあ昼のホームルームは終わり!」
先生の声で一斉に席を立つ。
…あれ?私の気のせい?先生が疲れてる気がする…。
「先生」
「おう、柏木。どうした?」
明らかにおかしい。いつもと変わらない笑顔と口調。でも私にはバレバレだよ…。
「大丈夫?」
「全然元気だけど?」
ほら…疲れてる。ちょっとした言葉の変化でも先生のことなら分かるんだからね。伊達に彼女やってないんだから…。
でも、今ここで何か言ってもダメなのは分かってるから言わない。
「無理しないでね」
「ありがとな」
ただそれだけ。いつものように私は皆の元へ、先生は職員室へ。
…そうなるはずだった。
廊下から聞こえた悲鳴。先生達の慌てた声。
でも、その中には先生の声は存在しなかった。
…嫌な予感。
私は気がつくと教室から駆け出して、騒がしい場所に向かっていた。
「先生!」
嫌な予感は的中していた…倒れていたのは紛れもなく先生だった。