「…先生?」
「我慢してたんだよ」
「え…?」
「あまりにも澪が綺麗で、近づいたら人前で抱きしめてしまいそうで…」
先生はそう言って、また抱き締める強さを強くする。
「言い訳にしか聞こえないかもしれないけど」
私はだらしなく下がったままの腕を先生の背中にまわす…。
先生の背中をそのまま優しくさすった。
「ごめんね…そんな風に思っていたなんて知らなくてあんなに酷い事言っちゃって…」
「俺の方こそ、ごめんな。ちゃんと言えば良かった」
先生は優しく私の身体を離して見つめる。
真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうで久しぶりの感触…。
「…綺麗だよ、澪」
ゆっくりと先生から紡ぎ出された言葉に…一番欲しかった言葉に涙がまた溢れる。
「誰よりも綺麗だ…。本当は劇でも澪のこんな姿見せたくなかったよ…。澪、良く頑張ったな…」
私はまた先生に抱きつく。
「ありがとう…先生」
「おいおい。そんなに勢いよく来たらせっかくのドレスにしわ寄るぞ」
「良いの…先生とこうやっていられるなら…」
先生はまたゆっくりと身体を離して私の唇を指でなぞる。
「ばか。あまり可愛い事言うと歯止め効かなくなる」
唇だけではなく指で色々な所をなぞられ、その指がいつもより官能的で、思わず身体がピクッと反応してしまった。