「澪、お疲れ様~!」



「すごく良かった!」



「歌、感動しちゃって泣いたよ~!」



終演後、クラスの皆が舞台袖に戻ってきた私の周りに集まって、声をかけてくれた。



「ありがとう」



私はそう言いながらも、目は先生を探してしまう…。先生の姿は何処にも見当たらない。



…見てくれてたよね?



少し不安になっていると沙織に支えられながら泣きじゃくる三枝ちゃんが戻ってきた。



「三枝ちゃん」



「みお~!」



涙や鼻水でぐしゃぐしゃの顔で抱きついてきた。



「ありがとう!本当にありがとう!」



「こら、三枝。澪のドレスが汚れちゃうでしょうが!」



沙織が三枝ちゃんを私から離そうと引っ張る。



「いいよ、沙織。このままで…」



「そう…?」



沙織は三枝ちゃんから静かに手を離す。



「三枝ちゃん。私の方こそ、ありがとう…。三枝ちゃんのおかげで、こんな素敵な劇に参加できたんだよ。三枝ちゃんがいなければ、今日はなかった…。本当にありがとう」



周りの皆からも、ありがとう!の声が響いた。



「みんな…ありがとう…」



それから皆で軽い片付けをすればあっという間に文化祭も終わりに近づいていた。