心さんに手伝ってもらって、お姫様が恋をするまでの話は三枝ちゃんのナレーションで映像が流れる。
【今からずっと遠い昔のお話です。ある国のお姫様は生まれてから17歳になるまで一度も城から出た事がありませんでした。…いいえ、訂正いたしましょう。
出たくなかったのではなく、出れなかったのです。王達が姫の可愛さのあまり自身の手の内にいさせたかったため、外に出る事を一切禁じられていました。外の話は城にやってくる商人に聞くだけでした。お姫様は年齢を重ねる毎に外への憧れが強くなりました。
そして、17歳の誕生日の時に1時間だけ外に出る事を許されました。お姫様は急いで城の近くにある村に向かいました。】
お姫様が城を飛び出し村に向かう映像が流れる。
【村民は、お姫様の登場に驚きを隠せませんでした。しかし、それも気にせず村の中を見て回ります。すると、大きな木を見つけました。その下に一人の青年が立っていました。お姫様は意を決して話しかけました。お姫様と彼は、すぐに打ち解け身分も忘れて話していましたが、約束の時間が来てしまい、城に帰らなくてはいけなくなり、また来ると約束し、城に帰りました。
翌日、王様に村にもう一度行きたいと頼みましたが、もう外には出てはならないと言われてしまいました。
お姫様は悲しみ、部屋に閉じこもり食事もまともにとりませんでした。
彼に会いたい。
その気持ちだけ日に日に大きくなるだけでした】