いよいよ、文化祭当日…。
今年も多くの人が訪れている。
私達のミュージカルは12時から大ホールで開演する。
後1時間…。
「澪、そろそろ着替えるよ」
心さんに呼ばれて衣装室に向かおうとすると…
「みおねーちゃんっ」
振り向くと、そこには孤児院の皆と唯先生、和哉さんがいた。
「みおねーちゃん、がんばってね!」
「たのしみにしてるね!」
子供達の笑顔に、いつの間にかしていた緊張がほぐれる。
「頑張ってね」
唯先生と和哉さんの言葉が力になる。
「頑張るから楽しみにしていてね!」
私は皆に手を振り、衣装室に入った。
「澪。あなたにぴったりの着てほしい衣装が出来たわ。さあ、着替えましょう。」
心さんと一緒に衣装に着替えて、メイクをして、髪をセットする。
「ほら、見てみなさい」
心さんから鏡を渡されて見てみると言葉を失った。
「わあ…!」
「似合ってるわよ。さて、舞台袖に行くよ」
ゆっくり舞台袖に移動してクラスの皆と先生のいる場所まで辿り着いた。
「わあ…!澪、凄く綺麗だよ!」
「本物のお姫様みたい!」
皆が私の周りに来て次々に誉めてくれる。
少しだけ先生の方を見るけど先生は顔を背けていた。