凄いよ、先生…。
私の事なら何でも分かるって顔してる…。
「少し昔の話、してもいい?」
「ああ。俺も聞きたい」
先生に話すね。
私が頭撫でられるのが好きな理由…。
「小さい時にね、何かとママ達は私の頭を撫でてくれたの。頭を撫でられてると撫でてくれてる手から愛を感じるでしょ?って…。手から伝わる温もりが大好きでママ達がいなくなった後、唯先生はママと同じように優しく頭を撫でてくれたの。その時にママの温もりを思い出しちゃって泣いちゃったの…」
ママの手から愛が伝わったように唯先生からも愛が伝わってきたんだ…。
「そういう経緯があって、頭を撫でてもらうことが大好きになったの」
すると、先生は私の目を見ながら頭を撫でてくれた。
「俺がお前を撫でる時も愛を込めてる。ちゃんと感じてる?」
「先生のが一番、愛と温もりを感じるよ」
今更だよ…先生。
先生は私にたくさんの温もりと愛を教えてくれたじゃない。
心に眠っていた辛い記憶を優しく包み込んでくれたじゃない…。
「今の私があるのは色々な人が助けてくれたからだけど、やっぱり先生がいなかったら今みたいに幸せだとも思わなかったし、ママ達とも仲直りしなかったと思う」