「三枝ちゃん」
「あ、澪…」
三枝ちゃんは明らかに容量オーバーな感じがした…。
「大丈夫?」
沙織も三枝ちゃんに声をかける。
「もう参ってるところよ…。スムーズにいきそうって思ったんだけどな…」
三枝ちゃんが無理矢理浮かべた笑顔が見てて辛かった…。
何か私に出来ることはないのかな…。
「あ…そういえば!」
「澪、どうしたの?」
「台本書いてくれるかもしれない人、一人いたよ!」
「本当?」
そうだ、あの人ならきっと引き受けてくれる!
「ちょっと待って!今、連絡して頼んでみるから!」
私は急いで携帯のアドレス帳から、その人を探した。
「あった…!かけてみるね!」
お願い…!
電話に出て…!
【もしもし?】
「あ!心さん?」
【あら、澪じゃない。珍しいわね。どうしたの?】
「あのね、心さんにしか頼めないお願いがあって…」
【…お願い?】
三枝ちゃんを見ると口でお願いって動いてた。
「今度の文化祭で劇をするんだけど、高校だし既製よりオリジナルをやりたいんだけど、台本を書いてくれる人がいなくて…。心さんなら孤児院の時も書いてくれたし、劇団の脚本家だから書いてくれないかなって…」
私の言葉に沙織と三枝ちゃんは驚いてる。