「…え?」
「俺には誘ってるようにしか見えないんだけど」
先生は真剣な表情の中に不敵な笑みを浮かべてるみたいだった…。
私達の間に静寂が訪れて、時計の針の音と私達の呼吸の音しか聞こえない…。
目をそらしたくても、先生の瞳に吸い込まれて…
そらせない…。
「ごめん。ちょっと、からかいすぎたな。」
「え…?」
「いきなりで驚かせたよな。忘れてくれ…。ごめん」
先生はとても切なそうな顔をして私から離れる。
「待って…」
私は気がつくと先生の指を握っていた…。
「え…?」
先生は驚いた顔をして動かない。
「あ、あのね…その…」
先生を呼び止めたはいいけど、その後をどうすればいいか分からない…。
「澪…」
先生は私の手をしっかりと繋ぎ直して…
「無理しなくていいから」
「俺はちゃんと待ってるから大丈夫だよ。無理するな…」