「嘘つくなよ」
先生の私の事なんてお見通しだと言うような瞳がちょっと悔しい。
「嘘じゃないもん!」
そして始まる私の可愛くない嘘。
「ふーん」
…カチャ
「何で鍵開けたの?」
「寂しくないなら一緒にいなくてもいいだろ?」
「だめ!本当は寂しいって分かってるのに何で意地悪するの…あ。」
「最初からそう言えば良いのに」
…やられたー!
「本当は寂しかったんだろ?」
「…うん」
「そう思って一緒にいようと思って呼んだんだけど?」
「…一緒にいたいです」
…カチャ
「ほら、おいで」
めいいっぱい広げられた先生の腕に込められた意味は、
…自分から腕の中に飛び込んで来い。
私はためらいもなく、
先生の腕の中に飛び込む…。
「…寂しかった」
「ごめんな…でも俺が想ってるのはお前だけだから…な?澪」
「うん」
やっぱり居心地がいい先生の腕の中…。
「お前、次空きだろ?」
「うん。先生は?」
「俺も授業は入ってないよ」
「じゃあ、沙織にメールしておくね。先生と次の空きは一緒にいるって」
「そうしとけ」