「わあ!素敵!」



店内はちょっとレトロな感じで落ち着ける空間だった。



「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」


優しそうなおばあちゃんが声をかけてくれた。



「四人です。」



「では、あちらの席にどうぞ。」




私達が案内されたのは外に出てきた花嫁や花婿が良く見える席。



「ここから結婚式が見えるのね。素敵ね・・・。」



ママが一瞬だけ遠くを見つめた気がした。



注目をした飲み物がやってきて、いよいよ本題に入る。



「隼人先生は澪の事を好きなんですか?」



「はい。」



「隼人先生はそれが大変な道だって分かってる?」



「はい。」



「もし、ばれたら職を失う事にもなりかねないのよ。」



「はい。それも分かってます。職も大事ですし澪さんも大事です。優柔不断かもしれませんが両方共、失わないように全力で守りたいんです。」



先生がママ達を真っ直ぐ見つめる。




私も、ちゃんと言わなくちゃ。



「ママ、昨日の事なんだけどね・・・。」



「決まったの?」



「うん。」



「聞かせてくれる?」