「人生狂わせるとか大袈裟だよ。隼人先生♪こんなんで狂う訳ないじゃない。」



「それに孤児院だからってかわいそうな子ですオーラだしてるし、うざかったからちょっといじっただけだしね。」




「狂う事だってある。
誰かが言った事で人生がいい方に変わったって人がいるように、誰かが言った一言で悪い方に人生がいってしまう人だっているんだよ。それにな・・・・っ!!」



「いい加減にしてよ!」


椎名が俺達の間に入ってきた。


「澪はね、孤児院って言葉が大嫌いなの。いつも、孤児院=かわいそうっていう偏見で見られるのが嫌だ。って言ってた。

まさか、澪が孤児院にいたなんて知らなかったけど・・・。


だから私もかわいそうなんて一度も思った事なんてない!
あんたたちが言ってた、かわいそうオーラは全部あんたたちの偏見なんだからねっ!!

お願いだからこれ以上、澪を傷つけないで・・・悲しい顔はさせたくないの。笑っていて欲しいの・・・。」


そうだ。これが一番伝えたかった事。全部、椎名が言ってくれた。



「起きたら柏木に謝れよ・・。」


抱き抱えた柏木は風船みたいに軽かった。



「柏木を保健室に連れてくからよろしくな。」



「はい。」


柏木、起きたら俺にだけ抱え込んでる傷を少しだけ話してくれるかな。






・・・話してほしい。