先生が帰る時に、和哉さんが先生に声をかけた。
「今度、ゆっくり酒でも飲もう。」
和哉さんなりの気遣い。
「はい。」
きっと和哉さんは、先生にとって一番頼れる人になるって、この時感じたんだ。
「今日はありがとうございました。」
「いいのよ~!いつでも来なさいね。澪の彼氏は私達にとって家族なんだからね。」
"家族"
そっか。
これが家族なんだ。
誰よりも信頼してくれて味方でいてくれる・・・。
私は唯先生達とは血縁はないけど、唯先生達にとって血縁は無くても、ここにいる皆が家族なんだ。
唯先生も和哉さんも沙織も先生も孤児院の子供達も私も、みんなみんな家族なんだ。
素敵だな、家族って・・・。
皆と別れて先生を車までお見送りをする。
「本当にいい所だな。」
「うん。私も今日、再確認したよ。」
「俺さ、あまり親と仲良くなくて、実家にも帰ってないし、最後に話したのは教員試験が受かったって連絡しただけで・・・。家族と出掛けた記憶も全然無いから本当に羨ましいよ。」
先生にも、そんな過去があったんだ。