「みおっっ！！」


柏木が親友だっていってた椎名沙織が泣きながら駆け寄ってきた。



「澪！澪ってば！」



「椎名、大丈夫だ。
気絶してるだけだから生きてるよ。」



「本当に？」



「ああ。」



「よかったあー！」



「椎名、少しの間、こいつの体を支えててくれないか？」



「・・・？うん。いいよ。でもなんで？」



「あいつらに話があるから。」

・・・柏木の過去が
なんであろうとあいつらがした事は許せない。

あそこまで嫌がってたという事はそれ程に辛かったんだと思う。


それを利用するのは
俺が許さねぇよ。



俺はあいつらの目の前に行き、怒りを抑えて聞いてみた。



「おい、今お前が柏木に言った言葉がどれほど、柏木を傷つけたか分かってんのか？」



「だって事実でしょ？
真実を確かめる為に聞く事は当然でしょ？」



「聞いていい事と悪い事があるだろ！！」



「そんな怒んないでよ。隼人先生♪」


・・・何も分かってねぇ。
俺の中で何かが切れた。


気が付いたらそいつの胸倉をつかんでいた。



「いい加減にしろ！！
てめぇ、自分が人間として最低な事をした事にまだ気付いてないのか？
あいつが隠してた過去はあいつにとって忘れたい過去だったかもしれないんだぞ。あいつの人生に関わる事かもしれなかったんだぞ。あいつの人生を狂わせたらお前は、
責任とれんのかっ！！」