「そ、それは好きだからです。」
「でも好きだからといって踏み込んでいい場所といけない場所があるだろ?」
「柏木さんは僕の初恋の人なんです。」
「え?」
「初恋の人だから、諦めようにも簡単には諦められません。」
・・・私が初恋の人?
「実は柏木さんに嘘をついているんです。」
「嘘・・・?」
「入学式に一目惚れした。って言いましたけど本当は違うんです。」
「どういうこと?」
「柏木さん、昔3歳くらいの時に一回だけ、ある公園で俺に会った事があるんですよ。」
「・・・え?」
「一緒に遊びました。一回だけですけどね。その時に俺は小さいながらも柏木さんに恋をしたんです。可愛くて優しくて・・・・。」
私は記憶のどのページをめくっても霜崎くんと遊んだ事は覚えていなかった・・・。
「それから、柏木さんを15年くらいずっと好きなんです。忘れられませんでした。
高校で偶然見つけて運命だって思いました。だから、いつか俺の彼女になってほしいって考えてたら、いつの間にか誰かのものになってて・・・。」