「決めるのは沙織だけどね。」
私は・・・。
「私、両親に説得してみる。」
「え?」
「澪と一緒に卒業したいから澪の言葉に甘えて一人暮らしできるほどの貯金が貯まるまで孤児院で暮らしたい。って。
お父さんにもお母さんにも、ついていかない。って。」
「椎名・・・。」
「沙織・・・。」
「椎名は、それでいいんだな?」
「はい。この判断が正しいかなんて分かりません。でも私の道だから・・・私の意思で決めたい。」
「じゃあ、帰ってお母さん達と話しておいで。」
「ありがとう、澪。」
澪は携帯を取り出してお母さんに連絡をしてくれた。
見つかって凄く喜んでたんだって。
今ならちゃんと両親にも話せる勇気がある。
ちゃんと言わなきゃ。
そうすれば、きっと伝わる。
先生の車で家に向かう。
澪は車の中で、ずっと手を繋いでくれていた。
安心できる・・・。
家に着くと両親が家の前で待っていて、お母さんは涙を流しながら、ごめんね。って言った。
ねえ、澪。
私、頑張るね。
澪と一緒にいたいから・・・。