「そんな・・・。」


澪の表情が凍る。



「どうすればいいのかな・・・?」



「椎名はどうしたい?」



「私は澪と一緒にいたい・・・。一緒にいたいよ・・・。」



「私もだよ・・・。」



澪から大粒の涙がこぼれる。



澪・・・・泣かないで。



そんな顔しないで・・・。



「私は例え両親と離れてでも澪と一緒にいたいし、卒業したい・・・。」



「うん・・・。」



「でも今の私には、一人で暮らせるようなお金なんてない・・・・。」



気持ちは強くてもお金がなければならない。



離れたくなくても・・・。



「沙織。」



「ん?」



澪が真剣に私を見つめる。



「孤児院においでよ。」



「え・・・?」



「お金が貯まるまで孤児院で暮らそうよ!」



孤児院で暮らす・・・?



「そうすれば一緒に卒業もできるよ。」



「おい、柏木!」



「それは正しいのかって、いえば正しくないかもしれない。
でも、このまま沙織がここから離れたら沙織は新しい場所でも頑張れないと思う。」



「確かにそうかもしれないけど・・・。」