「先生がね、キスしてくれないの。」



電話の向こうで飲み物を吹き出す音が聞こえた。



『え?!』



「付き合ってから手を繋いだり抱きしめたりしてくれることはあったの。」



『うん。』



「でもね、そこからの進展がないの。」



『ほうほう・・・。』



「だから、キスとかキス以上の事をしてくれないのは、私が子供でまだそういう事をしても価値がない。って思われてるのかな。って思っちゃって・・・。」



『うん。』



「私が先生の彼女でいいのかな・・・?
こんな気持ちも初めてだし、どうしたらいいのか分からなくて・・・。」



『澪。』



「なに?」



『うらやましいよ。』



「え?」



『先生はね、澪が大事なんだよ。先生が彼氏なんて普通なら夢みたいな事でしょ?』



「うん。」



『先生は澪が大好きだから、澪を大事にしよう。って思ってるはずだよ。もし、澪を子供だから。って先生が思ってたら危険をおかしてまで彼女にするはずがないでしょ!』



「うん。」



『大丈夫。先生はちゃんと一人の女性として見てくれてるよ。自信持ちなって!』



「うん!ありがとう。」



『心配なら自分でやってみたら?』



「何を?」



『キス。』