思考が止まって固まる俺を見た柏木は慌てながら、



「あ、あのね、別に変な意味じゃなくて変な意味じゃないの。」



「・・・・。」



「・・・先生!」



「え?」


現実に引き戻された俺。



「やっぱり頑張って自分で外すよ。ごめんね。変な事頼んで・・・。」


そういって風呂場へ向かう柏木の腕を掴む。



「待て。」



「先生?」



「外してやるから後ろ向け。」



「え?」



「はやく。」



「で、でも・・・。」



「別に変な事はしない。帯外すだけだから。」



「ありがとう。」



「ただし、」



「え?」



「帯が外れたら速攻、風呂場に行く事。速攻だぞ、速攻。」



「は、はい!」



「じゃあ後ろ向け。」


女物の浴衣の帯を外すのとか
初めてだし。


綺麗に結ばれてるのに外すのがもったいない。


とりあえず早く外さないと
俺の理性がヤバい。



帯を外すと浴衣が自由を手に入れたみたいにヒラヒラした。



ヤバい。



「早く風呂場行け!」



「ありがとう!」


ちょっと駆け足で風呂場に消えた柏木に、胸を撫で下ろした。