柏木が卒業する時には
泣いてしまうようなサプライズを用意しよう。
一年後の話だけど、今から俺はワクワクしてるんだ。
朝起きたら柏木がいる。
家に帰ったら柏木が出迎えてくれる。
そんな幸せが来る日を俺は楽しみにしているんだ。
FMから聞こえるのは、
街が七夕で賑わっているというレポート。
これ、同じようなの行きもやってたよな・・・。
ラジオが11時を知らせる。
車からは俺の家がすぐそこに
見える。
日曜日までは俺も柏木も予定がないから柏木は家に泊まる。
羽目をはずしすぎないようにしなくちゃな。
柏木は大切な存在だから大事にしたい。
柏木と触れ合いたい気持ちもあるし、欲もある。
でも、まだその時じゃない。
柏木の心の準備が出来るまで
俺は待つよ。
さて眠り姫を起こさなくては。
「柏木。」
「ん・・・。」
「おはよ。着いたぞ。」
「早いね~。」
まだ寝ぼけてるか。
「ほら、俺に掴まれ。」
素直に俺に掴まる柏木。
可愛すぎるんだよ。
まだ寝ぼけてる眠り姫を抱き抱えて俺は自分の部屋に入った。
さあ、長い夜の始まりだ。