――――――。

「ん……」

 長く短い夢から覚める。またか、と理解しつつもいつもと違う夢の展開に少しだけ悩まされる。本当の空―――あの空はいったい?

「青山? 今、何時だ?」

 僕が目を覚ましてもそこに居た彼女。体育座りのまま空を見つめ、一時でも時間を忘れて眺める姿はどこかまぶしくも薄れて見えた。

「凡そ六時くらいです」

 となると僕が寝てしまったのが正午過ぎ、かれこれ四時間寝ていたことになるらしい。
 グッ、と伸びをして縮こまった体にストレッチをする。

「だいぶ寝てたな。なあ、お前まだ帰らないのか?」

 帰る様子がなく、オレンジ色の光に包まれる青山は、ほって置けばいつまでもそこにいそうな気がした。

「そうですね。そろそろ帰りましょうか、日も暮れてきたことですし」