かれこれ数時間はここにいるということか。

「クラス何組?」

「三年二組です」

 隣のクラスかよと内心つぶやき。

「席は?」

「一番前の一番窓側です」

 それだけ聞くと屋上を降りる。行く気なんてなかったのだけれど、朝からとなるとそうとう直射日光を浴びているはずだし、死なれても困る。
 二組の前まで来て、中の様子を伺ってみる。
 昼なので生徒の半数が外に出かけているためか、少人数が机を合わせて昼食を摂る姿が目立つ。青山の席を確認し、動かされてないのを確かめクラスに入る。
 じろじろと見られたが僕は気にしない。
 青山の席まで来ると、赤革の鞄が机の下に収納されていた。さっさと取り上げ二組を後にする。

「ほら」

 わざわざ給水タンクまで登り渡してあげる。ついで買ってきたお茶も供え付きで。僕はハシゴを降りた所に腰を下ろし、空を見上げた。流れる雲はのどかに進み、青々としている空は塗装を施しているくらいに青かった。
 無言でご飯を口につめ、お茶を一口飲む。
 これからのことを僕は考えていた。何が変わっていくのかを、何を変えていかなればならないのかを。見つめていた、変わることのない未来を、手を伸ばしても空を切り手のひらには何も残らない悲しさを。―――――無常に散る時間の中で………。