真剣な瞳。素直に見れず壁にそらす。

「第一―――――――青山が嫌がるに決まってるでしょう」

「そうですね。私としてはもう一人にしてもらいたいのです」

 感情に欠ける声で言う。

「青山!!」

 びくっと体が反応する。先生が怒鳴ったのだ。本気だ∙∙∙∙本気なんだ。本気で青山のことを心配して。
 でも青山は無関心に何も感じていない。昔の僕どうように。そのとき青山が何を口にするかは予測がついていた。

「かまわないでもらえますか? 迷惑です」

 昔の僕と同じく瓜二つな、台詞を吐き出したのだ。

「青山、お前。やっぱ永倉に似てるわ」

 にさにさと笑う。こうなると判っていたのか、先ほどまでの強張った顔ではなく、いつものだらけきった先生がいた。

「じゃ~そうだな。青山。永倉をパシリにするってことで手を打たないか?」

「は?」

 何を言い出すんだ。また話が飛躍してしまってるけど。

「パシリ? 永倉君が私の面倒を見る代わりに、私が永倉君をパシリにしていいと?」

「そうだ」

 や、や、やや! なんでだよ! それ僕にメリットが一つもないじゃんかよ!

「先生。僕の意見は?」