「俺はな、永倉はもう大丈夫だと信じてんだ。けど青山は、永倉を優先して時間がなかった∙∙∙∙∙∙すまん」

「誤られても、もう何も解決しませんから」

 先ほどまで叩きつけていた椅子に再び大人しく座り、静かにしゃべる。
ん? 僕を優先したから? 話が見えないな。

「どういうことですか?」

「永倉は正直、青山以上に手のかかる奴だった。でな、俺は青山をひとまず置いて永倉を優先することに決めたんだよ.。今はお前は落ち着いて俺がほっておいても大丈夫な状態。遅くなったが、今度は青山に集中することにした。が、矢先がこれだ。転勤してしまう破目になってな∙∙∙∙∙∙∙。気がつけば、一度は心を開いた青山にまた心を閉ざさせてしまった。だが俺は転勤。もうどうしようもないんだ」

 それで僕に。

「秋本先生。すいませんけど僕には無理です」

 これは僕には変えれぬこと。力がない、生きる希望もない、なにもない。

「それでもお前じゃないとだめだ」