「え? あーーー」

 正直に困る。逢ったたといえば逢ってはいるが向うが覚えてはいまい。

「昼に屋上で偶然濡れてる彼女に逢いました」

 彼女、青山と言われる生徒をちら見する。顔の表情を微動だにせず。

「私は知りませんよ」

 なんて口にした。

「永倉きにするな。青山は知っていても知らないという奴だから。さて、どうしたもんかな……永倉にも言いたいことは有るんだけどな」

 どうも青山はそういう性格らしい。

「よし! 決めた。お前たち二人はよく似てる。はっきり言って二人が偶然そろったのは何かの縁かもしれん。だから今から言うことは二人に対して言うからよく聞けよ」

 おもむろに語りだすスッチー。何を言う気だ?

「知ってのとおり俺は明日この学校を後にする。でだ。心残りがお前たち二人を俺のこの手で卒業まで導けないこと。さてどうしたもんだ? そこでだ、お前たち二人、力を合わせて無事卒業してみろ」

 おいおいちょっと待て! 無茶苦茶いってんぞこの親父。