前に一度ほかの生徒と同席をして思い切り邪魔だと言われたことがあるのだ。今いる生徒がそうとは限らないが、万に一と言う可能性がある。いや、言われたとして気にはしなかったが、言われるとも知れぬ戦地に飛びいるのはいささか抵抗がある。数分は思考しただろうか、中からはいつしか声がしなくなっていた。それこそ困る。話が終わったのならそうそうに出てきて僕と直ちに変わってほしい。沈黙が続くとタイミングを完全に逃してしまう。迷いに迷い、とりあえずはノックをする。
 すると、ガタガタと椅子から立ち上がる音がし、足音が近づいてくる。