今度は、左腕。

 珠喜は左利きだったはず。

 それが延焼し、左肩、首、わき腹がどんどん燃える。


 しかし、悲鳴が全く聞こえない。


 火は、どんどん燃える。

 下手すれば死ぬ。

 水をかけても、かけてもだめ。

 理子よりひどい。

 理子には申し訳ないのだが。

 
 たくさんの人がバケツやホースを持っている。


――火よ、消えろ。役に立つことをしろ――

 精華は念じながら、消火活動する。