少しずつ熱くなってきた。

 熱風が吹き付ける。


 そこには・・・

 人が・・・

 燃えている・・・。


「夏見先輩。」

 二年夏見珠喜(たまき)のことだ。

 一年生の時から、エースだ。


 ようやく出た、声。

 あまりにも怖くて、小さくなった。

「棚岡。手伝ってくれ。」

「はい。」

 誰が頼んだのか分からないけど、とりあえず手伝うことに。