「また帰りにね」


微笑みながら言う真樹は
保健室の方へと
足を進めた。


はやく、いわなきゃ



伸ばしても手が
届かない距離まで
離れたとき、
悠は真樹の背中に叫ぶ。


「昼飯!」

いきなりの大声に
肩を揺らす背中。
そして振り替える。


キョトンとした
真樹の表情を見て
一気に緊張が解けた悠。

ふはっと思わず漏れた
笑い声に自分で少々驚く。

そしてコホンと
わざとらしく咳払い
してみせたあと、
真樹に向かって
続きの言葉を言う。


「昼飯、今日は
一緒に食おうなっ」

「…うんっ」


真樹の返事を聞いて、
手を振り見送る。

そして
小さくガッツポーズをして
自分の教室へと向かった。