ゆいと俺が付き合ったのは、中学3年の1月。
勿論、俺から告白したんだけど、絶対にゆいが俺に答えてくれるって確証があったからだったんだ。
確証がなかったら、恐らく告白なんてしていなかっただろう。
俺は弱かったんだ・・。
情けないことに、俺は昔から、何かとゆいを頼っていた。
優柔不断な性格だと、自分でも分かっていたし、背も低い方で、正直男らしくなかった。
でも、そんな俺でもいつか、ゆいが頼ってくれる様な存在になりたかった。
それは、ゆいがいつも、俺の世話を焼いてくれるからじゃなくて・・俺が、ゆいのことを好きだからなんだ。
中学2年の春。
隣のクラスの友達に、
「ゆいと付き合ってんの?」
と、聞かれた。
「付き合ってる様に見えるか?」
そんなん言われたの、初めてだよ。
少し期待して、そう返してやった。
「見えねぇよ。どう見ても、お前の保護者だろ」
・・・やっぱりな。
てか、なんだよ。
保護者って・・。
「・・・普通に幼なじみだし」
「知ってるけど。お前、ゆいに頼ってばっかりらしいな」
「・・そんなことねーよ」
そうだけど・・。
「ムキになんなよな。ゆいとお前見てると、微笑ましいよ」
微笑ましいって・・。
てか、さっきからゆいの事、呼び捨てにしてんなよ。
喋ったことないだろうが。
・・段々イライラしてきた。
「てか、なんでいきなりゆいの話なんか・・・」
「いいな、とか思って」
「・・・は?」
「何となく、気になったんだよ」
・・・これは・・。
ヤバいんじゃないか、と。
焦る俺がいた。