「いいなぁ。クラス離れちゃって残念だね」
「そうなんだよな・・いや、でも結構付き合い長いしあんまりかな!ていうか、全然平気だし・・・」
気にしていたことを突かれたせいか、つい嘘をついててしまった・・!
しかも思い切り動揺してたし絶対ばれてるよな?
「なら大丈夫だね」
「そうそう。大丈夫」
・・バレてなさそうだな。
良かった・・。
「そういえば、彼女さんと待ち合わせしてたんだよね。遅くない?」
「確かに・・」
念のため、携帯を見てみた。
「・・ぁ」
「どうしたの?」
「なんか親と帰ったっぽい・・。大分前にメールきてたし」
こんだけ待ってた俺って健気だよな・・。
「えぇ!?約束してたんじゃないの?」
「約束・・してないけど」
「してないの?じゃあ、しょうがないね」
約束はしてなかったけど、中学の時は毎日のように一緒に帰ってたから、今日もそのつもりだったんだけど・・。
なんかへこむよな。
「・・・あははは!」
!?
「どうしたんだよ」
急に笑いだしたから、びっくりした。
「私もだよ」
「へ?」
どういうことだ?
「入学式終わって、教室に行く時に1-1の男の子に話し掛けられたんだ。アドレス交換したから、その後メールで“一緒に帰ろ”って言われたから“いいよ”って返したの。・・そしたら返事が返ってこなくなったんだ」
意味わかんない奴だな・・
「とりあえず門で待ってたんだ?」
「うん。そしたら、後ろ姿そっくりの人がいたから会えたんだと思ったんだけど・・」
「俺だったんだ。俺に似てる?」
「後ろ姿だけね」
てか1-1って同じ教室だよな。
そんな奴いたんだ・。
「お互い、来るはずない人待ってたんだね」
そう言って、彼女は微笑んでいた。
全くだよ。
まぁ、今日は別にいいか。