私の席は、廊下側の一番後ろだった。

自分の席に着いたら、なんだか脱力・・。

入学式と慣れない場のせいで、ずっと緊張してたみたい。

・・知ってる人居ないし。

「はぁぁ、疲れた」


「うん。疲れるね」


      ん?


いつまにか、隣の席には茶髪の男が座っていて、私の独り言に返事をしてた。

てか声に出てたんだ・・。
うわぁ・・・恥ずかしい。

「あの・・声に出てました?」

「うん。でも分かるよ。こういうのって緊張するよなぁ」


へぇ・・。意外だなぁ。
結構見た目チャラ男っぽいのに。


「だよねぇ。ていうか席隣なんだ?私、河村ゆい。よろしくね」

「よろしく!俺は、林庄田。好きなように呼んでくれていいよ」

「うん。林君」

とりあえず名字で呼んでおこう。


「え、庄田って呼んでくれないの!?」


・・そっちが好きに呼べって言ってたよね?


「じゃあ庄田って呼ぶね?」

苦笑いになりながら言った。


「ありがとう!俺も、ゆいって呼んでいいよね?」

なんか強引な人だなぁ。

ま、いっか。

「うん。もちろん」

「良かったぁ!俺、名字でより下の名前で呼ばれる方が好きなんだよね。それに、その方が仲良くなれそうな感じだしさ」

「そうだね。でも、庄田みたいに明るい人だったら、すぐにクラスの子達と仲良くなれると思うよ」

そういえば庄田って、結構かっこいいもんなぁ・・。

「あ、ありがとう・・」

?
庄田が少し目線を逸らしてる。なんか、顔赤くなってるし・・。


「でもさ、俺って実は人見知りするんだ。だから、ゆいと知り合えてすごく嬉しいよ。席隣同士だから、いつでも話せるし」

庄田が目を輝かせてる・・。

悪い気しないや。

・・庄田って、見た目程チャラくないかも。
さっきは、強引な人だと思ってたけど・・。
案外可愛い人だな、とか思っちゃった。


「わ、私も人見知りするんだ。だからお互い様だね」



知り合えたのが庄田で良かったな。
入学初日から、友達出来ちゃったよ。

拓也はどうしてるかな?