「……唯…」
黙って見ている私に気づく翔也。
右の頬が酷く腫れている。
先輩にやられたの?
「何でここにいんの?」
翔也が聞く。
「…………」
上手く話せないよ。
そんなボロボロにされて。
きっと翔也はやり返していない。
だってさっき見た先輩達は無傷。
翔也はただただ殴られてたんでしょ。
想像するのが辛いよ。
「………血ぃ出てるよ」
翔也の切れた唇をタオルでそっと拭いた。
「…………」
「…………」
会話が………ι
「………唯…」
「……………」
「……怒ってんだろ?」
この青空と同じぐらい、
きれいに澄んだ翔也の瞳。
その瞳が遠慮がちに私を見つめる。