“時間” それはとても早くて… 待ってなんかくれない。 これが当たり前で、 この“時間”に私達は支配される。 「はい、今日はここまで」 「きりーつ、れーい」 ガタガタガタ。 号令と同時に机に椅子を雑に入れ、早々と教室を出てゆく生徒。 今日も終わり。 「岡野さんっっ!!!」 慌てた大きな声が私を呼ぶ。 「……横村君…?」 教室のドアには息を切らした横村君がいた。