キーンコーン
   カーンコーン



始業のチャイムが鳴る。


「あ、ヤバい!私行くね!」


「はぁい!またねぇ」


紗希は急いで自分の教室へと戻る。





「ねぇ…唯…」



「……ん~?」


間抜けた声の私。





「今日城川レミんとこ行かない?」



「なんでっ??」



「もぉ見てらんないよ。話つけてこよ…」



いきなりの提案。



「うん。ありがと、ひかり。でもあともうちょっと待って…」



「……うん…」



ひかりが一緒に行ってくれるなら…

少し安心。

ありがとう、ひかり。



そしてごめんね。


私にはまだ時間が足りないのかもしれない。


こんなに時は経ったのに。



弱い私は、まだ城川さんと話す勇気がない。