「……ぅ…っ…」 涙がこぼれる。 止まらない。 さっきまで怒ってたのに… 変だね。私。 ―キーッ― 思いっきりブランコをこぐ。 風を正面に受けて。 こぼれる涙がさらに冷たくなる。 「…いっ……」 誰かの声。 そんなの私は気にしない。 もっと力を込めてブランコをこぐ。 「…っ……唯っ!…」 反射的に振り返る。 だってそれは―― 翔也の声だったから―