一瞬だけど、和也の顔が暗くなった気がした。
でもあたしは話しを続けた。



「でもね。その人には好きな人がいて、絶対に叶わない恋なんだ。」



「絶対じゃねーよ!叶うよ。」



「叶ってほしいって毎日のように想ったけど、今あたしは病気でいつ死ぬか分からない。だから怖いんだ。君が遠くに行ってしまいそうで。」



あたしは目に涙をいっぱい溜めて、和也を見た。


「柚。キスしていい?」