「どういうつもり?」


「何が?」


「こんな所にまでついて来た挙げ句、中原先生からチケット貰って…何がしたいのよ!?」




成宮くんを睨みつけると、成宮くんの瞳が揺れた。





「…可哀相な男がする事だから大目に見ろよ」




うっ…

今日言ったこと気にしてたんだ。





「とにかくこんな所で言い争ってないで、レストランに入ろうぜ。オッサンのチケットが無駄になるよ」


「…そうね」




レストランに入り、ウエイターに案内された席につくと

大きな窓から宝石のような夜景が一望出来た。





「わぁ…凄ーい!」


「みーちゃん、遊園地に来た子供みたい」




くくっと笑う成宮くんに顔を膨らますと、料理が運ばれて来た。



ウエイターは何語か分からない料理の名前を説明して去って行った。





「私、テーブルマナー…分からないかも」


「えー。先生なのに?」


「すみません…」




だって、マナーが必要なレストランなんて縁がないと思ってたから…。





「音立ててスープ飲んだり、フォークとナイフを逆さに持たなければいいよ。俺しか見てないし」




そう言って慣れた手つきで料理を切り分ける成宮くん。



この子、テーブルマナーも完璧なのかしら。





何でも華麗にこなしてしまう成宮くんを羨ましく思いながら、料理を口に運ぶ。